「終活という言葉は知っているけど、具体的に何をすればいいのか知らない。」
「エンディングノートを書いてみたいけど、何を書けばいいのか分からない。」
あなたは今、そうお考えではありませんか。
「終活」という言葉や具体的にどんなことをやるのかはなんとなくイメージがついていて、さらに次のステップとなる行動に移していきたい方向けに説明していきたいと思います。
今回は、エンディングノートの書き方を詳しく書いていきたいと思います。
終活のことを理解して、終活を始めるのにこの記事が役に立てば幸いです。
エンディングノートとは?
エンディングノートとは、自分の終末期や死後に備えて、遺される身近な人に伝えておきたい希望や情報を書き留めておくノートのことです。
自分の終末期や死後に向けての活動にはなりますが、決して後ろ向きな活動という意味ではありません。
終活はこれまでの人生を振り返ったり、今後の人生をより楽しむためのライフプランを考えることができる機会でもあります。
後悔しない老後生活を送るためや、ご自分がいなくなった後の家族のために、終活を行う方も増えています。
自分の人生を楽しく締めくくるためにも、ネガティブなイメージだけで考えるのではなく、前向きに今後の人生をより良くする活動として行えれば良いなと思います。
エンディングノートは何のために書くのか?
終活をするのにエンディングノートは必ず必要かと言いますと、決して必ず必要というわけではありません。
しかし、エンディングノートを書くことで、終活自体のサポートになります。
エンディングノートには、ご自分がいなくなった後ご家族の方に介護や医療機関の希望を伝えられたり、ご自分の死後の葬儀や遺品について詳しく書き残しておくことができます。
またご自分の考えを書き残しておけるので、家族が知らなかったことや普段伝えられなかったことも文字でならば残しやすく、面と向かって言えないことも書き残せるのもエンディングノートならではです。
エンディングノートを書くメリットは?
エンディングノートを書くメリットは、3つあります。
①自分の気持ちが整理できる
まず1つ目は、エンディングノートを書くことで自分の気持ちが整理されることです。
これからの人生をより楽しむために、気持ちを整理をするためにエンディングノートを書くことができます。
ずっと行きたかった場所ややりたかったことをノートに書いて、できたらチェックをつけたり線を引いて達成感を味わうという使い方もできます。
②これからやるべきことを客観的に見つけられる
そして2つ目は、これからやるべきことを客観的に改めて発見することができることです。
終活は決して後ろ向きな活動ではありません。
エンディングノートでは、自分史を書くことができるのでこれまであなたが持っていた夢ややりたかったことを思い出すきっかけになります。
人生を振り返るためにも、一度文字に起こしてみるのは大変効果的かと思います。
③家族に考えや思いを託せる
3つ目は、ご自分がいなくなった後ご家族に、考えや思いを託せることです。
エンディングノートには、ご自分がいなくなった後ご家族の方に介護や医療機関の希望を伝えられたり、ご自分の死後の葬儀や遺品について詳しく書き残しておくことができます。
家族が困らないようにするためにご自身の意思を書き記しておくことも終活においては重要なことになります。
エンディングノートと遺言書・遺書との違いは?
遺言書・遺書・エンディングノートの3つは、似ているためややこしく間違えやすいので、それぞれ1つずつに分けて説明します。
遺言書
遺言書は、民法で定められた法的な文書です。
書式から作成方法、効力、内容に至るまで細かく規定されています。
自分に万一のことがあった場合に財産(遺産)を誰にどれだけ渡すか、事業や不動産などの管理を誰に託すかを生前に取り決めた意思表示を書面に残したものです。
遺言書は定められた作成方法に従い、正しい形式で書かなければ、法的効力が失われるため、正しく書き残すことが重要になります。
遺書
遺書は、自分の意思を誰かに伝えるための私的文書です。
そのため、法的な文章ではなく、法的効力もありません。
一般的な内容としては、遺族に知っておいてほしい生前の想いや、関わりのあった人などへの感謝の言葉、死後の希望などを書き残すことが多く、財産分与などについて書くことはほとんどありません。
エンディングノート
エンディングノートは、自分の人生を記録するための私的文書です。
そのため、法的な文章ではなく、法的効力もありません。
一般的な内容としては、自分に関する個人情報、自分史を記録しておくことが多く、財産分与などについて書くことはほとんどありません。
エンディングノートの選び方
エンディングノートを書くにしても、どんなものが良いのでしょうか。
エンディングノートには、決められた形式やスタイルはありません。
ご自分に合った方法でエンディングノートを用意してみましょう。
文具店や書店で購入
市販のノートに書いても良いですし、エンディングノートも最近では文具店や書店で購入することができます。
どのような内容を書けばいいかわからない方や、内容を自分で考えるのが苦手という方にはエンディングノートを購入するのがオススメです。
パソコンを使う
パソコンでWordやExcelと言ったソフトを使って作っても良いでしょう。
インターネットから無料ダウンロードして作れるエンディングノートもあるので、パソコン操作に慣れている方にはオススメです。
スマートフォンを使う
最近ではスマートフォンのアプリにもエンディングノートが書けるアプリが登場しています。
スマホならいつでもどこでも書き記すことができるので、気軽にエンディングノートを書けるのが良いですね。
エンディングノートの書き方
まず初めにお伝えしておきたいことは、一般的にはエンディングノートに決まった書き方はありません。
ですからご自身が好きなように書いていただいて構いません。
と言っても自由に書いてと言われても、何を書けばいいのか分からなくて悩んでしまいますよね。
ということでここからは、エンディングノートの書き方を詳しく説明していきます。
ご自分の情報
この世に生を受けてからどこでどのような人生を送って今に至るかを書きます。
家族であれば生年月日くらいは知っていても、本籍地、マイナンバーや年金証書などの基本情報を知っているのはなかなか難しいと言えます。
記載例は下記の通りです。
- 名前
- 生年月日
- 血液型
- 住所
- 本籍地
- 住民票コード
- マイナンバー
など
自分史
人生において、様々なライフイベントが起こります。
ライフイベントを振り返りながら自分史を書くと、思い出しやすかったり、文章に書きやすいですよね。
さらに自分史を書くことで、これまであなたが持っていた夢ややりたかったことを思い出すきっかけにもなります。
- 学歴
- 職歴
- 結婚
- 出産
- 夫婦の記念日
- マイホーム購入時期
- 歴代のマイカー紹介
- 職場での功績
- 馴染みの土地
- 幼少期から各年代の思い出
- 特技
- 趣味
など
関係する人物との間柄や連絡先
家族であっても、親戚や友人などの人間関係は本人以外はよく分からないことが多いです。
自分だけが知っている交友関係や、遠い親戚、家系図などは詳しく書いて、後世に残しても良いでしょう。
- 家族
- 兄弟
- 親戚
- 同居していない家族
- 養子
- 家系図
- 友人
- 知人
- 職場関係者
- 恩人
- 法的関係の相談者
など
財産について
ご自分の財産について、エンディングノートに書いておくことも重要です。
通帳や印鑑の置いてある場所や、お持ちの財産について書きます。
また、貸しているお金はないか、ローンが残っていないかなどのマイナス財産についてもしっかり記載しておくことで、財産分与の際に役に立つことが多いです。
- 預貯金
- 口座番号
- 公共料金などの自動引き落とし情報
- クレジットカード情報
- 基礎年金番号
- 各種加入保険
- 株式
- 不動産
- 借入金やローン
- 貸金
- 有価証券や金融資産
など
介護や医療について
もし自分が介護や医療行為が必要になった時に、どんな介護や医療を受けたいかを書いておくと良いでしょう。
現在かかりつけの医療施設があれば、施設名や先生の名前・電話番号、常用している薬の名前など控えておくと万が一の時に役立ちます。
また、将来的に話すことができなくなり延命治療が必要になった時にどうしたいかを書いておくと、家族の迷うことも少なくなりやすいです。
- かかりつけの医療施設・主治医
- 常用している薬
- 希望する介護や医療施設
- 費用
- 後見人(財産管理などを任せられる人)
- 延命措置の詳細
- 臓器提供
- 介護や治療方針の決定者
- 医療カウンセラー
など
葬儀について
一昔前までは、死について語ることはあまり良くない、タブーと言われてきました。
ですが、近年では終活が身近なものになり、ご自分の死後についても考えたりする機会が増えています。
自分が希望する葬儀の方法や納骨の方法、葬儀に呼びたい方の名前を書いても良いでしょう。
また、遺影写真はどれを使って欲しいかなども書いておくと、ご家族の負担が軽減されます。
- 喪主に頼みたいこと
- 宗派や宗教
- 戒名や法名
- 葬儀の方法(密葬・家族葬など)
- 納骨の方法(納骨・散骨など)
- 葬儀業者や会場
- 遺影写真
- 参列者リスト
など
お墓について
一昔前までは、死について語ることはあまり良くない、タブーと言われてきました。
ですが、近年では終活が身近なものになり、ご自分でお墓を購入する機会も増えています。
自分が希望する菩提寺やお墓の住所、予算などを書いても良いでしょう。
- 埋葬方法
- 希望墓地
- 購入費用
- 墓地の使用権者
- 墓地の継承者
- 手入れ
- お供え物
など
遺言書について
自分に万一のことがあった場合に財産(遺産)を誰にどれだけ渡すか、事業や不動産などの管理を誰に託すかを生前に取り決めた意思表示を書面に残したものが遺言書です。
あなたが遺言書を書いた場合は、その保管場所をエンディングノートに記しておくと良いでしょう。
- 遺産分割の内容
- 遺言書の有無
- 相続リスト
- それらの保管場所
など
周りの方へのメッセージ
ご家族やご友人、大切な方々へ普段は伝えにくいような感謝の気持ちや懐かしい思い出などを残しておきましょう。
長く一緒に暮らしていた家族であっても、感謝の言葉が綴られているこのノートは世界に一つの宝物とな流でしょう。
まとめ
今回は、エンディングノートの書き方を詳しくまとめました。
エンディングノートとは、自分の終末期や死後に備えて、遺される身近な人に伝えておきたい希望や情報を書き留めておくノートのことです。
終活はこれまでの人生を振り返ったり、今後の人生をより楽しむためのライフプランを考えることができる機会でもあります。
今回紹介した内容を参考に、ぜひ皆さんも自分にとってベストな「終活」を実施していきましょう。