「将来の生活に金銭的不安がある。」
「貯金もある程度溜まったので将来の為に資産形成をしたい。」
「積立NISAをやってみたい!」
あなたは今、そうお考えではありませんか。
一つでも当てはまった方や、こういった事が気になっている方に向けての記事になります。
こんな低金利の中、資産形成の一つとして注目されているのが積立NISAです。
テレビや雑誌・書籍などでもたくさん紹介されているので、気になっている方も多いのではないでしょうか。
ただし、「積立NISAをやってみたい!」と思って安易に積立NISAに手を出してしまい、きちんと仕組みを理解せずにいると、知らないうちに大損を被ってしまう可能性もあります。
今回は、積立NISAを始める前に知っておきたい仕組みや4つのリスクを紹介します。
積立NISAのことを理解するために、記事が役に立てば幸いです。
積立NISAとは?
2018年1月から始まった制度が「つみたてNISA(積立NISA)」です。
つみたてNISAは、投資した年から最長20年間、
毎年40万円分の投資を上限に非課税とする長期投資向けの資産形成方法のひとつです。
20年間利用すれば最大で800万円が非課税になるため、資産形成方法のひとつとして分散投資させることで活用しやすい制度になっています。
NISAと積立NISAの違いは何?
積立NISAに似た制度として、NISAがあります。
どちらも利益は非課税になるのは共通ですが、NISAと積立NISAの違いとして、大きく2つの違いがあります。
まずは2つの違いを説明していきます。
運用できる商品が違う
積立NISAで運用できる商品として、長期の資産形成に向いている投資信託161本と、一部のETFに限られています(2019年9月現在)。
一方で、NISAで運用できる商品は株・投資信託・ETF・REITといった種類が豊富に揃えられています。
なぜ運用できる商品が違うかというと、長期の資産形成か短期の資産形成かによって運用にかかるコストの考え方が変わってくるからです。
積立NISAは、「少額から購入できる投資信託」をメイン商品と扱い、長期で運用するのが目的なので、
「運用コストが低い商品」に絞っているため、投資信託がメインの商品ラインナップとなります。
一方で、NISAは運用できる商品が多く、一括買付をすることができる分、短期の運用をする使い方がメインとなります。
コツコツ少額の資金で資産形成をしたい方は、積立NISA、ある程度の資金を運用したい方や、個別株を運用したい方はNISAが向いていると言えます。
自分がどのような資産形成を行いたいのか、ライフプランをきちんと立てた上で、どちらの投資方法が良いか考えてみると良いでしょう。
年間に投資できる上限額と投資できる期間が違う
2つ目の大きな違いとして、まず年間に投資できる上限額を解説します。
積立NISAの非課税投資枠は年間40万円、NISAの非課税投資枠は年間120万円となっています。
上限額が大きく開いている理由としては、先ほども説明したように、積立NISAは「少額から購入できる投資信託」をメイン商品としているため、年間の非課税投資枠も少なくなります。
NISAはある程度の資金を運用することが前提の制度になっているため、枠が大きく設定されています。
また、投資できる期間も違います。
積立NISAの非課税投資枠は20年間有効なのに対して、NISAの非課税投資枠は5年間となっています。
こちらの理由も先ほど説明したように、積立NISAは少額の資金で運用する方に向いていて、NISAは短期の運用をする使い方がメインの方に向いていると説明したように、期間の枠も変わってきます。
短期〜中期的に資産運用したい方は、NISA、長期的に資産運用したい方は積立NISA向いているでしょう。
積立NISA | NISA | |
利用できる人 | 日本にお住まいの20歳以上の方 | 日本にお住まいの20歳以上の方 |
新規投資可能期間 | 2018年~2037年 | 2014年~2023年 |
非課税投資期間 | 最長20年間 | 最長5年間 *1 |
非課税投資枠 | 新規投資額で毎年40万円が上限 | 新規投資額で毎年120万円が上限 |
累計非課税投資枠 | 800万円 | 600万円 |
非課税対象 | 金融庁が定めた基準を満たした 投資信託・一部のETF |
株・投資信託・ETF・REIT |
*1(期間終了後、新たな非課税投資枠への移管(ロールオーバー)による継続保有が可能)
積立NISAのメリット4つ
積立NISAのメリットについて説明していきます。
①利益に税金がかからない
つみたてNISAは、投資した年から最長20年間、毎年40万円分の投資を上限に利益が非課税になるのが最大のメリットです。
通常の投資商品であれば利益に20.315%の税金がかかってしまいますが、積立NISAは利益が非課税のため、利益をそのまま受け取ることができます。
②商品の種類が少なく、初心者向け
積立NISAは、金融庁が定めた基準を満たした投資信託・一部のETFのみに投資することができます。
現在日本で扱われている投資信託は5000本以上と言われており、初心者が膨大な数の中から適切な商品を選び出すことはなかなか難しいと言えます。
積立NISAで投資できる投資信託は161本(2019年9月現在)となっており、かなり投資対象が選びやすく絞られているのも積立NISAのメリットです。
③「積立投資」でリスクを抑える
「積立NISA」の名前にもある通り、投資方法を「積立投資」のみに限定しているのも積立NISAの特徴があります。
定期的に一定額の同じ投資対象を購入することで、価格変動リスクを抑えながら運用することができます。
積立NISAは、価格が安いときは投資商品を多く、価格が高いときには少なく買い付けることができます。
これによって平均的な購入コストを下げられるのです。
リスクを抑えるために、分散投資をしましょうとよく聞くのはこういったメリットがあるためです。
④いつでも引き出すことができる
積立NISAは、NISAと同様に、いつでも投資した資金を引き出すことができます。
例えば、iDeCoの場合は60歳まで払い出しが原則できません。
投資した資金の払い出しをする可能性がある方や、iDeCoのように60歳まで引き出すことができない部分をネックに感じている方に向いている制度と言えます。
iDeCoについて詳しく知りたい方は、こちらの記事でiDeCoの仕組みや5つのメリットと4つのデメリットを詳しく解説していますので参考にしてみてください↓
https://jijibaba.love/money/ideco/
積立NISAのデメリット4つ
続いて、積立NISAのデメリットについて説明していきます。
①非課税枠の再利用ができない
これはNISAでも同様のデメリットになりますが、非課税枠の再利用ができないです。
購入した商品を1年の途中で売却した場合、売却分の非課税枠は再利用ができなくなります。
そもそも積立NISAは、長期的な投資が目的というのが前提にありますので、頻繁に売り買いすることを前提としていません。
そのため、頻繁に売り買いする可能性がある方には向いていない制度と言えます。
②商品の種類が少ない
先ほどメリットで解説した通り、積立NISAは購入できる商品の種類が少ないです。
そのため、商品選択の幅が限られてきてしまうことがデメリットと言えます。
さまざまな商品に投資したいという方には向いていない制度と言えます。
③年間の非課税投資枠が少ない
先ほどメリットで解説した通り、積立NISAは年間の非課税投資枠が少ないです。
積立NISAの場合、年間の非課税投資枠が40万円とNISAなどに比べてかなり少ないです。
月額にすると、約3万3333円までしか商品を購入することができません。
そのため、積立金額が限られてきてしまうことがデメリットと言えます。
月額3万3333円を超えた金額を積み立てたいという方には向いていない制度と言えます。
④元本保証はない
投資信託は、資産運用の中では低リスクと言われていますが、元本保証はありません。
運用実績によっては、商品を購入した時よりも値下がりした場合、購入金額よりも売却額が下回り、損する結果になることもあります。
資産運用では、どうしてもリスクがついてくるものと言う認識は常に持っておくべきでしょう。
まとめ
今回は、積立NISAの仕組みを紹介しました。
資産形成を始めるには、まず自分がどのような資産形成を行いたいのか、ライフプランをきちんと立て、投資を行なう事が非常に重要です。
使うことが決まっている学費などに使って投資することは、お金が減ってしまうリスクがあるのでオススメできません。
余剰資金をいかに上手く使って、資産を増やすかが、資産形成のカギになってきます。
こちらの記事で、積立NISAの仕組みを理解する参考にしてみてください。